手作りフェルトで彩り生活

フェルトの特徴

 フェルトは動物の毛が絡み合って出来ています。フェルトが他の「布」と明確に異なる点は、織物や編み物ではないと言う事です。フェルトはカットしても、その断面が織物のようにほつれないというのが大きな特徴といえるでしょう。ではその他に、フェルトにどんな特徴があるのか見ていきましょう。

 フェルトの特徴は、断熱性があり、保湿性にすぐれていることです。これは、動物の毛が空気を含む構造になっているため。この優れた断熱性は昔から重要視され、靴下や織物、テントなど、暖かさを保つために昔から利用されていてきました。

 クッション性があることも特徴です。もともと動物の毛は、体を守るためのものですから、クッション性に優れているのは言うまでもない利点と言えます。もともと「毛」そのものに、しなやかな弾力性があり、それが複雑に絡み合ってできているフェルトは、空気を多く含んでいます。それが保温効果と一緒に、昔から敷物に利用されてきた理由です。

 また、織物とは異なり、引っ張りに弱いというのもフェルトの特徴といえるでしょう。通常布には、縦と横があり布目が存在します。当然、織ったわけでも編んだ訳でもないフェルトにはこの布目がなく、そのため強度はどうしても弱くなってしまうのです。その引っ張りに対する弱さを克服するために作られているのが、織フェルトと呼ばれるものになります。一旦、羊毛を使って織物を作り、更にそれを通常のフェルトのように絡ませて作ります。このように織フェルトとなると、フェルトの弱点、引っ張り弱さはある程度克服できます。

 その他、フェルトは吸音性があるため、防音を目的に使われる事もあります。フェルトは多孔質です。多孔質というのは、スポンジのように小さな孔がたくさんあるということです。この多孔質が、吸音性のカギになります。音は媒介を通して伝わります。水や空気、金属などなど、様々なものを通して音は伝わりますが、たくさんの孔が開いているフェルトは音が伝わりにくい素材なのです。