手作りフェルトで彩り生活

日本最古のフェルト

 日本に現存するフェルトで、最も古いとされるものは、奈良の正倉院宝物にあります。それが花毛氈(花氈)です。花毛氈とは図柄を入れ込んだフェルトの敷物のことで、この花毛氈は中国を経由して日本に伝わったとされています。織物ではないフェルトにどうやって図柄を織り込むというと、これは、一枚ものの大きなフェルトを用意し、図柄となる部分をくり貫いて、さらにそこに別の布をはめ込んで更に圧縮して作られています。当時の日本では、毛氈の材料そのものがなく、とても貴重なものだったのは間違いありません。山羊は日本には入ってきたのは15世紀ごろ、羊毛が輸入され始めたのは幕末のころで、羊が入ってきたのも明治時代の事です。
 この花毛氈は、中国を通して入ってきたものですが、使われている毛を調べてみると、中央アジア産の、羊の毛が材料として使われています。どこでフェルトとして加工されたのか明確には分かりませんが、コーカサス山脈に住む、いずれかの民族の手によって作り出され、それが中国に輸出され、そして日本までやってきたのではないかといわれています。アジアとヨーロッパの境界でもあるコーカサスには、多くの共和国があり、多くの民族が住んでいます。内紛の激しい地域では難しいのですが、今でもこの地方には、羊を飼って遊牧して生活している人々がいます。そうした場所で生活と密着して作り出された羊毛が、フェルトとして加工され、はるばる遠い日本までたどり着いたのかと思うと、なんだか不思議な気もしますね。
 シルクロードは文字通り、中国発の優秀な絹をアジアのみならず、日本から地中海までの広い海路も指す言葉です。このシルクロードは、シルクだけではなく様々なものを運んできました。そしてフェルトも、シルクロードを通じて日本にたどり着いたのです。

 

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